改めて生徒会四役を見ると本当に超人的な人物が多いような気がしてならない。

 まずは、生徒会長こと原田高志。この人の人気はカリスマ的といってもいいだろう。2年前の神野彰人会長のときと同じく凄い勢いだ。親衛隊がいるということは学校全体が知っている。そして、この会長の想い人のことも、だ。会長に好きな人がいるというのに、懲りずにアピールしまくっている親衛隊はある意味凄い。さらに、勉強もスポーツもでき、周りからの信頼も厚く、学年順位は常に上位10位以内には入る。
 次に、その会長の想い人であり、今回副会長に指名された神野仁美。会長が好きというアピールをしてもことごとく無視し続け、周りの人物がそれを告げても冗談としか取れず、挙句の果てには証拠を出せと言い、周りからは鈍感と呼ばれている。この人も会長と同じく、勉強もスポーツもできるため、ある意味超人だ。また、2年前の神野彰人会長の妹。それが原因、近づきにくいイメージがある。さらに、会長の親衛隊からことごとく嫌がらせを受けても屈せずいる。私から言わせてみればある意味、最強な人物だと思う。
 そして、その2人と幼馴染、書記の田中誠人。いろいろな仕掛け人。そして、会長の信頼も厚い。何処か怪しい雰囲気があったりなかったりするが、根は良い人だと思う。ちなみに恋人はいるとかいないとかいろいろと聞くが、真実はわからない。人気もそこそこあり、あの神野彰人会長との繋がりも深いため、怖くて手を出せないと言う女子も多い。
 此処で、先ほどの副会長の話に戻るが、書記である田中誠人よりも、妹の神野仁美のほうが手を出せないのではないだろうかと思うのだが、実際は妹のほうに手を出している人物が多い。女子の良い男=彼氏がほしい執念はある意味恐ろしいものだ。そのことから考えるに、会長>書記なのだろう。
 最後に、会計の成合稚香子。成績優秀で、数学なら誰にも負けないと言うくらいの数学大好きな人物。そのために、会計に抜擢されたと言っても良いだろう。しかし、その半面友人が少し少ないように見えたりする。家庭事情も複雑なため、学校に来ないことのほうが多い。そんな人をわざわざ生徒会にした理由も気になる。まぁ、誰も生徒会になりたがらないので、やってくれるなら誰でもいいという信任投票で選ばれたので、先が少し思いやられる。

「…とまぁ、来季の生徒会四役はこんなところかな?」
「お前、正直に書きすぎじゃないか…」
 書いた紙を見ながら、呟いた。正直に書きすぎて悪いことなんかないと私は思っている。
「だって、本当のことだし。私が、第3者目線で書いた超個人的な内容だけど?」
「まぁ、こんなもんだろうね」
「で、助けてあげるの?」
「…いや、俺がいなくてもどうにかなるだろうし、俺がいたら逆に何もできないんじゃないか?」
「そうかもしれないけどさ…」
 私が不服そうに言うと、向こうは笑って答えてくれた。
「いつまでも、俺に頼ってばかりっていうわけにはいかないだろう?」
「そりゃぁね…」
「気になるのは会計の成合って子のみかな…あとの3人は問題ないだろう」
「…なんだか妬けるな」
「俺からしてみればそれは嬉しいことだけどな。律」
 名前を呼ばれて私は、微笑んだ。
 彰人に呼ばれて生徒会四役のことが知りたいと言われたのは、つい先日のこと。といっても、彰人が知りたかったのは、会計の子だけだったみたいだけどね。
「別に、高志や誠人のことまで教えなくて良かったと思うんですけどね。ついでにいうと仁美のことなら彰人のほうが知っているんじゃない?」
「俺もまさか、此処まで教えてくれるとは思わなかった」
「…あら、そうですか」
「拗ねるなよ。で、会計の印象は?」
「…書いた通り。学校に来ないことのほうが多いから正直わかんない」
「まぁ、大丈夫だろう」
 成合稚香子。クラスも同じクラスになったことないから、わからない。ところで、同じクラスから3人も生徒会四役を出してよかったのだろうかという素朴な疑問が出てきたが、きっと大丈夫なんでしょう。それに、仁美なら会計の子ともうまくやれると思う。

2010/3/31

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